ミジンコが赤いのはなぜ?酸素が少ないサイン|病気?今すぐやる3つの対処
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ミジンコがなんだか赤っぽくなってきた…。病気?このまま死んじゃうの?どうすればいいの?
透明だったミジンコが、ある日ふと見ると赤っぽくなっている。容器ごとオレンジ色に見えて、びっくりしたかもしれません。
「病気かも」「水が悪いのかも」と心配になりますよね。でも、あわてて水を全部換えたり、薬を入れたりする必要はありません。
この記事では、ミジンコが赤くなる理由と、赤くなったときにやることをまとめました。たくさん増やしたい人向けの、酸素の入れ方のコツもお伝えします!
ミジンコが赤いのは、水の中の酸素が少なくなり、体の中のヘモグロビンが増えたからです。病気ではなく、酸素が少ない水に体を合わせた状態です(出典は記事末)。
元気に泳いで増えているなら、慌てなくて大丈夫。ただ、酸素が少なめの状態が続いている合図ではあります。過密が原因になりやすいので、まずは間引いて数を減らしましょう。大量に増やし続けたいなら、ごく弱いエアレーションと、つかまる場所をセットで用意します。
- ミジンコが赤くなる理由(ヘモグロビンのしくみ)
- 赤いミジンコは病気なのか、死ぬ前ぶれなのか
- 赤くなる原因になりやすい飼い方
- 赤くなったときにやる3つの対処
- 大量に増やしたいときの、酸素の入れ方
ミジンコが赤いのは、酸素が少ない水でヘモグロビンが増えたから
ミジンコの体が赤く見えるのは、体液の中の「ヘモグロビン」が増えたからです。ヘモグロビンは、人の血を赤くしているのと同じ仲間の、酸素を運ぶたんぱく質です。

酸素が減ると、ヘモグロビンを増やして体を合わせる
ミジンコは、水の中の酸素が少なくなると、体の中でヘモグロビンをたくさん作ります。少ない酸素でも、効率よく体に取りこめるようにするためです(出典は記事末)。
ヘモグロビンが増えるほど、ふだん透明に近い体が、だんだんオレンジや赤に見えてきます。つまり赤い色は、ミジンコが「酸素が少ないぞ」と体を切りかえた結果なんです。透明な体の中を顕微鏡でのぞく方法はミジンコを顕微鏡で観察しようで紹介しています。
赤くなるまでには日数がかかる
ヘモグロビンは、一晩で一気に増えるものではありません。オオミジンコを酸素の少ない水で10日間育てた実験では、ふつうの水で育てたものに比べて、ヘモグロビンの量が約7倍になっていました(出典は記事末)。
裏を返せば、赤くなっているなら、しばらく前から酸素が少なめの状態が続いていたということ。今日だけの話ではないので、飼い方を見直すきっかけにしてください。
水温が高いときや、数が多すぎるときにも増える
ヘモグロビンは、酸素だけでなく、水温が高いときや、ミジンコの数が多すぎるときにも増えやすくなります(出典は記事末)。
どちらも、水の中の酸素が足りなくなりやすい条件です。夏場に容器いっぱいに増えたミジンコが赤くなるのは、このためです。
赤いミジンコは病気?死ぬ前ぶれ?
赤いミジンコを見て、一番気になるのは「このまま死ぬの?」ということですよね。答えは、赤いこと自体は病気ではなく、すぐに死ぬわけでもありません。
赤い=弱っている、とは限らない
ヘモグロビンを増やしたミジンコは、酸素が少ない水でも生きのびる力が上がります。赤いミジンコは、むしろ「がんばって合わせている」状態です。
タマミジンコの場合、緑っぽい色や茶色がかった赤の体でも、おなかに餌がつまっていて元気に泳いでいるなら、健康な状態です(出典は記事末)。
ただし「酸素が少なめ」の合図ではある
とはいえ、赤くなるのは、酸素が少なめの状態が続いている合図です。このまま数が増え続けたり、水温が上がったりすれば、ヘモグロビンでも追いつかなくなります。
次のような様子が重なっていたら、危ないサインです。
- 赤いミジンコが水面近くに集まっている
- 動きがにぶく、底でじっとしている個体が多い
- 水が茶色く濁っていたり、においがしたりする
- 底に死んだミジンコがたまってきた
当てはまるなら、このあとの対処を今日のうちにやっておきましょう。
ミジンコが赤くなる原因になりやすい飼い方
ミジンコが赤くなるのは、どれも「酸素が足りなくなる」飼い方です。よくある原因を、4つにまとめました。
| 原因 | なぜ酸素が減る? | 見分けるポイント |
|---|---|---|
| 数が増えすぎ(過密) | たくさんのミジンコが酸素を使う | 容器の中がミジンコでもやもやしている |
| 水温が高い | 温かい水ほど酸素がとけにくい | 夏の日なた・室内の暑い場所 |
| 餌の入れすぎ・水の汚れ | 残った餌を細菌が分解するときに酸素を使う | 水が茶色く濁る・においがある |
| 水面がせまい容器 | 水面から酸素がとけこみにくい | 細長いびん・ペットボトル |
一番多いのは「増えすぎ」
ミジンコがうまく増えているときほど、赤くなりやすいものです。数が増えると、そのぶん水の中の酸素がどんどん使われていきます。
つまり、赤くなったのは「増やすのに成功した」証拠でもあります。ここで数を減らしてあげれば、また元気に増えていきますよ。
餌の入れすぎも酸素を減らす
餌を入れすぎると、食べ残しを細菌が分解するときに、水の中の酸素を使います。水が茶色く濁ってにおいがするなら、餌の入れすぎを疑ってください。
餌は、水がうっすら色づく程度が目安です。澄んできたら足す、を守りましょう。
赤いミジンコを見つけたらやる3つの対処
ミジンコが赤くなっていたら、次の3つを順番にやっていきます。赤くても元気に泳いでいて、水もにおわないなら、1つ目の「間引き」だけで十分です。

対処1:間引いて数を減らす(容器を分ける)
一番効くのは、ミジンコの数を減らすことです。目の細かい網で、全体の2割ほどをすくい取りましょう。
すくったミジンコは、メダカの餌にしてもいいですし、新しい容器を用意して分けてもOK。容器を2つ以上に分けておけば、どちらかがダメになっても全滅しません。
対処2:餌を控えて、水を少しだけ換える
水が茶色く濁っているなら、餌を1〜2日止めて、水を少しだけ換えます。換えるのは全体の3分の1〜半分くらいまでにしてください。
新しい水は、カルキを抜いて、温度を今の容器にそろえておきます。一気に全部換えると、水温や水質が急に変わって、かえってミジンコを弱らせてしまいます。水換えの手順はミジンコの水換えのやり方にまとめました。
対処3:涼しい場所に移す
日なたや暑い部屋に置いているなら、直射日光の当たらない、明るい日陰に移しましょう。水温が下がると、水にとける酸素が増えます。
夏場は、すだれで日よけをするだけでも水温の上がり方が変わりますよ。屋外の夏の暑さ対策はミジンコを屋外のバケツで増やす方法でくわしく書いています。
赤いミジンコは元の色に戻る?
間引いたり、涼しい場所に移したりして水の酸素が増えれば、それ以上赤くなる理由はなくなります。新しく生まれる子ミジンコも、ふつうの色で育っていきます。
ただ、どれくらいの日数で元の色に戻るかは、はっきりした資料が見つかりませんでした。色よりも、「水面に集まらなくなったか」「動きが元気か」を目安に様子を見てください。
大量に増やしたいなら「ごく弱いエアレーション+つかまる場所」
「間引くのはもったいない。もっとたくさん増やしたい!」という人もいますよね。過密のままハチャメチャに増やしたいなら、酸素を足す必要があります。
ここで大事なのが、エアレーションの入れ方です。

私がエアレーションをおすすめしない理由
ミジンコは「酸欠が天敵」とよく言われます。でも私の経験では、エアレーションを入れると、水の流れでミジンコの寿命が縮むようで、ある程度の数で増え止まってしまいました。
小さなミジンコにとって、ずっと続く水流は、泳ぎ続けなければいけない負担になるようです。ふつうに増やすだけなら、エアレーションなしで、増えたら間引くほうがずっと簡単ですよ。
入れるなら「ごく弱く」+「つかまる場所」をセットで
過密で大量に増やすときだけは、酸素を足します。そのときは、次の2つを必ずセットにしてください。
- エアレーションは、ポコポコとゆっくり泡が出る程度に、ごく弱くする
- 網・水草・仕切りなど、水流の弱い「つかまって休める場所」を入れる
つかまる場所があれば、ミジンコは水流から逃げて休めます。エアーストーンの細かい泡は、殻の下に入りこんでミジンコが浮いてしまうことがあるので、使わないほうが安心です。
フローティングネットのような仕切りを入れると、エアレーションの近くと、流れのない休憩スペースを分けられます。エアレーションの調整のしかたはミジンコにエアレーションは必要?でくわしく紹介しています。
ミジンコを赤くさせない予防のコツ
赤くなってから慌てるより、赤くならない飼い方を続けるほうがラクです。ふだんから、次のことを意識してみてください。
- 増えてきたら、早めにすくってメダカにあげる(1日に全体の2割くらいまで)
- 容器は1つにまとめず、2つ以上に分けておく
- 餌は少なめ。水がうっすら色づく程度で、澄んだら足す
- 夏は直射日光を避けた明るい日陰に置く
- 水面が広い容器を選ぶ
特に「すくう量」は、増やし続けるためのコツです。一度に取りすぎず、毎日少しずつすくうと、数が増えすぎず、いつでもメダカの餌が取れる状態を保てます。
増えないときや減ってきたときの見直し方は、ミジンコが増えない原因やミジンコが全滅する原因もあわせてどうぞ。
ミジンコが赤いのか、水が赤いのか見分ける
最後に、よくある勘ちがいにも触れておきましょう。「ミジンコが赤い」と思ったら、実は水のほうが赤かった、ということもあります。
PSBを入れている水は赤っぽくなる
ミジンコの餌にPSB(光合成細菌)を使っていると、水がピンクや赤っぽく色づきます。これはPSBそのものの色で、ミジンコの色ではありません。
コップにミジンコを少しすくって、白い紙の前で見てみましょう。水だけが赤く、ミジンコは透明なら、PSBの色です。PSBの使い方はミジンコの餌にPSBを使う方法で紹介しています。
赤い小さな虫がいるときは別の生き物かも
ミジンコとは形がちがう、赤い糸のような虫や、赤い点のような生き物がいる場合は、別の生き物が入りこんでいることがあります。見慣れない生き物は、すくって取り除いておくと安心です。
ミジンコが赤いときのよくある質問
赤いミジンコをメダカにあげても大丈夫?
赤い色はヘモグロビンが増えただけなので、メダカの餌としてそのまま使えます。むしろ、増えすぎて赤くなっているなら、すくってメダカにあげるのは一石二鳥の間引きですよ。
赤いミジンコだけ取り出したほうがいい?
赤い個体だけを選んで取り出す必要はありません。赤いのは、その容器全体の酸素が少ないサインです。容器全体の数を減らすことを考えましょう。
赤くなったので、急いでエアレーションを入れてもいい?
いきなり強いエアレーションを入れるのはおすすめしません。まずは間引いて数を減らすのが先です。それでも過密で増やし続けたいときだけ、ごく弱いエアレーションと、つかまる場所をセットで用意してください。
冬なのに赤いのはなぜ?
冬でも、室内で数が増えすぎていたり、ヒーターで水温が高めだったりすると、赤くなることがあります。夏と同じように、まずは数と餌の量を見直しましょう。
まとめ:ミジンコが赤いのは酸素が少ないサイン。まずは間引こう
ミジンコが赤くなったときのポイントを、もう一度おさらいします。
- 赤いのは、酸素の少ない水でヘモグロビンが増えたから。病気ではない
- ただし酸素が少なめの合図。原因は増えすぎ・高い水温・餌の入れすぎになりやすい
- 対処は「間引く」「餌を控えて少し水換え」「涼しい場所へ」の3つ
- 過密で大量に増やしたいときだけ、ごく弱いエアレーション+つかまる場所
- ふだんから少しずつすくって、容器を分けておく
まずは今日、目の細かい網で全体の2割ほどをすくってみてください。数が減れば、ミジンコはまた元気に増えはじめますよ!
出典・参考(2026年10月確認):季刊「生命誌」20号(JT生命誌研究館)志賀靖弘/Culture Techniques of Moina: The Ideal Daphnia for Feeding Freshwater Fish Fry(University of Florida IFAS Extension)/Pirow R., Bäumer C., Paul R.J.「Benefits of haemoglobin in the cladoceran crustacean Daphnia magna」Journal of Experimental Biology 204巻20号 3425–3441(2001)

