ミジンコとは?何類?単細胞ではなく多細胞の甲殻類|特徴・すむ場所・増え方

ミジンコとは?何類?単細胞ではなく多細胞の甲殻類|特徴・すむ場所・増え方
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理科の調べ学習で「ミジンコとは?」を調べています。ミジンコって何類なの?単細胞生物?それとも多細胞生物?

ミジンコは、池や田んぼにすむ、とても小さな生き物です。顕微鏡の観察でもおなじみなので、ゾウリムシやミドリムシと同じ「単細胞の生き物」だと思っている人もいるかもしれません。

でも、じつはミジンコはエビやカニの仲間!小さな体の中に、目や心臓、腸までそろっています。

この記事では、ミジンコの分類、単細胞か多細胞か、体のつくりと大きさ、すんでいる場所、増え方までを、図を使ってやさしく解説します。調べ学習のまとめにも、そのまま使える内容です。

先に結論

ミジンコは、多細胞の甲殻類です。単細胞生物ではありません。

分類は「節足動物 → 甲殻類 → 鰓脚類(さいきゃくるい)→ 枝角類(しかくるい)」。エビやカニと同じ甲殻類で、体の中には目・心臓・腸などの器官があります。

大きさは1〜3mmほどのものが多く、浅い池や沼、田んぼなどの淡水にすむ動物プランクトンです。暖かい時期はメスだけで子どもを産んで増え、環境が悪くなると「耐久卵」という丈夫な卵を残します。

この記事でわかること
  • ミジンコは何類か(節足動物・甲殻類としての分類)
  • ミジンコが単細胞ではなく多細胞である理由と、ゾウリムシとの違い
  • ミジンコの特徴(体のつくりと大きさ)
  • ミジンコはどこにいるのか、何を食べているのか
  • メスだけで増える増え方と、耐久卵のしくみ

ミジンコとは何類?節足動物の中の甲殻類

ミジンコは、節足動物の中の甲殻類です。もう少しくわしく言うと、甲殻類の中の「鰓脚類」、さらにその中の「枝角類」というグループに入ります(出典は記事末)。

分類の階級の名前で書くと「節足動物門・甲殻亜門・鰓脚綱・枝角目」。本や辞典によって階級の呼び方が少し違うことがありますが、「節足動物の中の甲殻類で、その中の鰓脚類・枝角類」という並びは同じです。

大きなグループから順にしぼりこむと、次の図のようになります。

ミジンコの分類の図。動物、節足動物、甲殻類、鰓脚類、枝角類、ミジンコの順にしぼりこむ

ミジンコは節足動物の仲間

節足動物は、体や脚に「節(ふし)」があり、かたい殻でおおわれた動物のグループです。昆虫やクモ、エビやカニもここに入ります。

ミジンコも、殻に包まれた体と、節のある触角や脚をもっています。「虫みたいに小さい」生き物ですが、昆虫ではありません。節足動物の中の、甲殻類という別のグループです。

ミジンコは甲殻類|エビやカニと同じグループ

甲殻類は、エビやカニのように、殻をもって水の中でくらす仲間が多いグループです。ミジンコは、その中でもとくに小さいメンバーなんです。

甲殻類の中で、ミジンコが入る「鰓脚類」は、脚にえらの役目もある仲間です(出典は記事末)。ホウネンエビやカブトエビ、カイエビも鰓脚類で、ミジンコの親せきにあたります。

そして鰓脚類の中で、ミジンコの仲間が集まったグループが「枝角類」です。「枝のように分かれた角(触角)」という意味の名前のとおり、二またに分かれた大きな触角をもち、これを使って泳ぎます(出典は記事末)。

「ミジンコ」はひとつの種類ではなく仲間の呼び名

「ミジンコ」という言葉は、1種類の生き物の名前としても、枝角類の仲間全体の呼び名としても使われます(出典は記事末)。タマミジンコ、オオミジンコ、タイリクミジンコなど、ミジンコの仲間にはたくさんの種類がいます。

種類ごとの見た目や大きさ、メダカの餌に向くのはどれかは「【比較表】タマ・タイリク・オオミジンコの違い」でくわしく比べています。

ミジンコは単細胞生物?多細胞生物?

答えは多細胞生物です。ミジンコの体は、たくさんの細胞が集まってできています。

その証拠が、体の中の器官です。ミジンコは体がすき通っているので、顕微鏡で見ると、目・触角・心臓・腸などがはっきり見えます(出典は記事末)。

心臓や腸のような器官は、たくさんの細胞が集まってできたものです。1つの細胞だけでできた生き物には、細胞が集まってできた器官はありません。つまり「多くの細胞でできた器官がある=多細胞」というわけです。ミジンコは遺伝子の研究でも、多細胞の動物として扱われています(出典は記事末)。

単細胞のゾウリムシとの違い

顕微鏡の観察でよく比べられるのが、ゾウリムシです。ゾウリムシは、体がたった1つの細胞でできた単細胞生物(出典は記事末)。同じ水の中の小さな生き物でも、つくりはまったく違います。

ミジンコとゾウリムシの違い。多細胞と単細胞、大きさ、体のつくり、泳ぎ方、増え方を比べた図
くらべるところミジンコゾウリムシ
細胞の数たくさん(多細胞生物)1つ(単細胞生物)
なかま節足動物の甲殻類原生生物(繊毛虫)
大きさ1〜3mmほど(種類で1mm未満〜5mm)0.17〜0.29mm
体のつくり目・触角・心臓・腸・脚などの器官がある1つの細胞の中ですべてをこなす
泳ぎ方二またの触角でピョコピョコ跳ねる体中の細かい毛(繊毛)で回りながら進む
増え方卵を産む(暖かい時期はメスだけで増える)体が2つに分かれる(分裂)

大きさを見ると、ミジンコはゾウリムシの数倍〜10倍以上。顕微鏡で同じ倍率で見ると、ミジンコがとても大きく見えるのはこのためです(数値の出典は記事末)。

ミジンコの特徴|体のつくりと大きさ

ミジンコの体は、すき通った殻に包まれています。殻はカルシウムで固まっていない、やわらかめのつくりで、エビやカニの殻ほどかたくありません(出典は記事末)。

ミジンコの体のつくり

小さな体の中には、生きるための器官がひととおりそろっています。顕微鏡で見ると、次のような部分が見つかります(出典は記事末)。

  • 複眼:頭にある大きな黒い目。左右の目がくっついて1つになっています
  • 触角(第2触角):二またに分かれた大きな触角。これをかいて泳ぎます
  • 脚:殻の中にある、葉っぱのような平たい脚。水の流れを起こして餌をこし取ります
  • 心臓:背中側にあり、ピクピク動くのが見えます
  • 腸:食べた餌の色で、緑や茶色の線のように見えます
  • 育房(いくぼう):背中側の殻の下にある、卵や子どもを入れておく部屋

ミジンコが跳ねるように泳ぐのは、二またの触角を大きくかくからです。この「ピョコピョコ泳ぎ」は、肉眼でもミジンコを見分けるいちばんの目印になります。顕微鏡での観察の手順や、自由研究のテーマ例は「ミジンコを顕微鏡で観察しよう!」にまとめています。

ミジンコの大きさは1〜3mmほど

ミジンコの仲間の大人は、1mm足らずから5mmほどです(出典は記事末)。種名としての「ミジンコ」は1〜2.5mmほどで、オスはメスより小さめです。

1mmあれば、肉眼でも水の中を動く小さな点として見えます。

ミジンコは微生物?プランクトン?

ミジンコは、動物プランクトンの代表です(出典は記事末)。プランクトンとは、水の中をただよってくらす生き物のこと。泳ぐ力はあっても、水の流れにさからって遠くまでは行けない生き物をまとめてこう呼びます。

プランクトンには、光合成をする「植物プランクトン」と、ほかの生き物を食べる「動物プランクトン」があります。ミジンコは、植物プランクトンやバクテリアを食べる動物プランクトンです(出典は記事末)。

「微生物」と呼ばれることもあるが、細菌とはまったく別

ミジンコは、顕微鏡で観察する小さな生き物として、ゾウリムシなどと一緒に「微生物」の仲間に入れて紹介されることもあります。ただし、細菌(バクテリア)や単細胞の生き物とは、体のつくりがまったく違います。

調べ学習でまとめるなら、「ミジンコは多細胞の甲殻類で、動物プランクトンの一種」と書くのがいちばん正確です。

ミジンコは何を食べている?

ミジンコは、水の中の植物プランクトン(小さな藻)やバクテリアを、脚でこし取って食べています(出典は記事末)。小さな藻がたくさん増えて緑色っぽくなった水「グリーンウォーター」は、ミジンコにとってごちそうがたっぷりの水です。

いっぽうで、ミジンコ自身は魚たちの大切な餌です(出典は記事末)。池の中で「小さな藻 → ミジンコ → 魚」と、食べる・食べられるの関係をつなぐ役目をしています。

ミジンコはどこにいる?すんでいる場所

ミジンコは、浅い池や沼、田んぼなど、身近な淡水にふつうにすんでいます(出典は記事末)。日本全国だけでなく、世界中に広く分布しています。

すみかの大きさもさまざまで、大きな湖から、雨のあとにできる小さな水たまりまで見られます。温泉のような極端な場所をのぞけば、流れのないたいていの淡水にすめる生き物です(出典は記事末)。

  • 田んぼ:水を張った春〜初夏は、ミジンコを見つけやすい場所
  • 池や沼:流れがなく、水がよどんでいる浅い場所
  • 湖:プランクトンとして大量に見られることがある
  • 水たまりや用水路のよどみ:一時的にできた小さな水場にも現れる

反対に、流れの速い川では、ふつうミジンコは見かけません。実際に採りに行くときの場所選びや道具、守りたいルールは「ミジンコはどこにいる?採れる場所4つと採取のやり方」でくわしく解説しています。

ミジンコの増え方|メスだけで増える単為生殖と耐久卵

ミジンコのいちばんおもしろい特徴が、増え方です。ミジンコは、まわりの環境によって2つの増え方を使い分けます。

ミジンコの増え方。メスだけで増える単為生殖と、環境が悪くなるとオスが生まれ耐久卵で冬を越す流れ

暖かい時期はメスだけで増える(単為生殖)

水温や餌の条件がよい時期、ミジンコはオスがいなくても、メスだけで卵を産んで増えます。これを単為生殖(たんいせいしょく)といいます(出典は記事末)。

この卵から生まれるのは、すべてメスです。卵は背中の育房の中でかえり、子どもはお母さんとほぼ同じ形で外に出てきます。生まれた子もやがてメスだけで卵を産むので、条件がよいと短い間に一気に数が増えます。

環境が悪くなるとオスが生まれ、耐久卵を産む

秋が深まったり、水の中が混み合ったりして環境が悪くなると、オスが生まれます。オスとメスがそろうと、メスは耐久卵(休眠卵・冬卵とも呼びます)を産みます(出典は記事末)。

耐久卵は、厚い殻に守られた丈夫な卵です。オオミジンコなどでは、くらのような形の殻(エフィッピウム)の中に、ふつう2個の卵が入っています(出典は記事末)。この卵が水の底で寒さや乾燥にたえ、条件がよくなるとかえって、また増え始めます。

つまり、冬を越すのは親のミジンコではなく、耐久卵のほうです。親が死んでも、卵が残っていれば春にまたミジンコが現れます。

ミジンコの寿命は種類と水温で変わる

ミジンコ1匹の寿命は、種類や水温によって10日ほどから2か月以上まで大きく変わります(出典は記事末)。同じ種類なら、水温が高いほど寿命は短くなる傾向があります。

ミジンコは家で飼える?メダカの餌としてのミジンコ

ミジンコは、家でも飼えます。そして、ミジンコラボでいちばん伝えたいのがここ!ミジンコは魚の大切な天然の餌なので、メダカを飼う人のあいだでは「生き餌」として増やされています(出典は記事末)。

メスだけでどんどん増える性質のおかげで、容器と餌さえ用意すれば、家でも増やせます。ペットボトルやバケツでも始められるので、観察と飼育をセットで楽しむのもおすすめです。

増やし方の手順は「ミジンコの増やし方は9ステップで簡単!」で、最初から順番に紹介しています。

ミジンコについてよくある質問

ミジンコは虫(昆虫)ですか?

昆虫ではありません。昆虫もミジンコも節足動物ですが、ミジンコはその中の甲殻類で、エビやカニに近い仲間です。昆虫のように、はねや6本の脚はもっていません。

ミジンコに心臓や血はありますか?

心臓はあります。背中側にあり、体がすき通っているので顕微鏡で動いているのが見えます(出典は記事末)。体の中を液体が流れていて、心臓がそれを送り出しています。

ケンミジンコやカイミジンコもミジンコの仲間ですか?

名前に「ミジンコ」とつきますが、枝角類ではないので、分類のうえではミジンコとは別の仲間です。どちらも甲殻類ではあります。ケンミジンコについては「ケンミジンコとは?ミジンコとの違い」で見分け方を紹介しています。

ミジンコは目で見えますか?

1mm以上ある大人のミジンコなら、肉眼でも水の中を動く小さな点として見えます。目や心臓まで見たいときは、ルーペや顕微鏡を使いましょう。

まとめ|ミジンコは多細胞の甲殻類。単細胞ではない

ミジンコは、節足動物 → 甲殻類 → 鰓脚類 → 枝角類に入る、多細胞の生き物です。単細胞のゾウリムシとは違い、小さな体に目・触角・心臓・腸などの器官がそろっています。

大きさは1〜3mmほどで、浅い池や沼、田んぼにすむ動物プランクトン。暖かい時期はメスだけで増え、環境が悪くなると耐久卵を残して次の季節を待ちます。

調べ学習のまとめは、「ミジンコは多細胞の甲殻類で、動物プランクトンの一種」の一文から書き始めてみてください。実物を見てみたくなったら、顕微鏡での観察にもぜひチャレンジしてみましょう!

出典・参考(2026年10月確認):ミジンコ(コトバンク/世界大百科事典・日本大百科全書・ブリタニカ国際大百科事典・百科事典マイペディア)/鰓脚類(コトバンク/世界大百科事典ほか)/ミジンコはたった4個体を起源とする北米からの帰化種だった(東北大学大学院生命科学研究科)/Daphnia pulex project(米国エネルギー省 Joint Genome Institute)/D. Ebert「Introduction to Daphnia Biology」(米国国立生物工学情報センター NCBI Bookshelf)/ミジンコの観察(慶應義塾大学 理工学部)/ミジンコの解説資料(ミュージアムパーク茨城県自然博物館)/ゾウリムシの資料(徳島県立総合教育センター)/C. K. Wong(香港中文大学)タマミジンコの寿命と水温の講演要旨(世界養殖学会)

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ミジンコ博士くん
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ミジンコを育て始めてはや数年。 いつしか博士どころか、ミジンコになっていた…
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